【小学校受験情報】お受験の悩み相談は指導歴30年の塾長が解決〔吉祥寺英心@塾〕

不自由さが知恵を育む

お母様方から「子どもの能力を伸ばすにはどうしたらよいでしょう。」という質問を毎年決まって受けます。
その度ごとに、私が申し上げることは、ただ、ひと言
“不自由をかけなさい”
だだ、これだけ
子どもというのは9歳を超えると物事に取り組む前から計算して、これはできる、これはできない(面倒くさい)と決めてかかるようになります。
小学3年生の子どもに、いきなり鉄棒で懸垂をやってごらんと言っても、懸垂をやったことがなかったり、できなかった挫折感があると最初からやろうともしません。
ところが、幼児は違います。
後先構わず、やりたいことはとことんやります。
高い棚の上にある箱に興味を示したとします。
幼児の背丈では到底届きません。
それでも取りたい。
ここで初めて「不自由」を体験するわけです。
そこで、
「あの箱をどうやったら取れるかな。」というのが教育です。
すぐに、
「あの箱が欲しいの、今、取ってやるからね。」では、不自由でも何でもありません。
安易に手助けをしないで見守っていると、やがて子どもは椅子を引きずってきます。
不自由をかけられて育てられた子は2歳半ぐらいで、この程度の知恵はあります。
椅子を引きずってきて、棚の上の箱を取ろうとします。
じっと、見守るのです。
危険でなければ放っておくのです。
手が届かなければ、棒や布団たたきを持ってきて、突っついたりするかもしれません。
苦労して棚の上の箱を手にしたときに「やった!」という達成感を体験します。
不自由を味合わせることにより、椅子を引きずってきたり、棒で突っつくという、一連の知恵が生まれるわけです。
これが幼児教育の基本です。
多摩動物園のオランウータンでさえ
蜂蜜が食べたければ
仕掛け箱の中に長い棒を差し込んで蜜を食べ
自らの欲求を満たす知恵がある
プリントの問題を解くときにも同じことがいえます。
「じゃ、こうやってごらん。ほら、答えが出たね。分かったね。」
これでは、答えを教えただけにすぎません。
ご家庭でプリントをするときの多くの失敗例がこれです。
子どもが期待通りに答えを出さないことにお母様がイライラして、知らず知らずのうちに答えを一方的に押しつけて、お母様だけができるようになったつもりでいるのです。
親や教師はサポートするだけでよいのです。
私は、答えは教えません。
解き方だけを、あの手、この手で、手を変え、品を変え、繰り返し、繰り返し教えます。
こちらの働きかけに子どもが食らいついてくるようになれば、どんな子どもでも答えを出します。
目に見せて
言って聞かせて
させてみて
ほめてやらねば
人は動かじ
教育グッズもできれば手作りにしてください。
既製の玩具でおままごとセットのレジスターがあります。
それを買わなければお店屋さんごっこができないかというと、そんなことはありません。
子どもは空き箱をレジスターに見立て、牛乳パックに広告の果物や野菜や魚を貼り付けて、お金も同様にハサミで切り取り、これでお店の出来上がりです。
“いらっしゃいませ。ピッ、ピッ、ピッ。はい、30円です。”と遊びます。
幼児期は『知恵を育てる』ことがとても大切です。
そのためには、親御さんも一緒になって不自由を味わう覚悟が必要です。
せめて幼児期だけでも、スーパーマーケットではなく、肉は肉屋さんで、野菜は八百屋さんで、魚は魚屋さんで買い物をしてください。1回でも2回でも結構、それがお子様の貴重な体験(財産)となるのです。
入試では肉は肉屋さん、野菜は八百屋さん、魚は魚屋さんで買うことになっていますから。
一軒一軒買いに行くのは面倒でしょうが、手抜きをすればそれなりに、手を尽くせばどこまでも子どもは成長するものです。