【小学校受験情報】お受験の悩み相談は指導歴30年の塾長が解決〔吉祥寺英心@塾〕

ただの一度だけ私が家庭教師を引き受けた事情

☆ケースその19 教育者としての誠を尽くす

私が小学校受験の指導に携わるために幼児教育界に飛び込んだ記念すべき第一期生。
お父様もお母様もとても立派なご両親様でした。
そのご家庭のお子様をお預かりいたしました。
笑顔が全くなく、無表情、自分を見せない子でした。
入室当時からすでに志望校を大学附属系一校に決めておられました。
大病を抱え、小学校入学の夏休みに大手術を予定されている彼は命の保証すらありません。
合格の手掛かりがないままに時が過ぎ、願書提出後にお父様から、
“合格できないことは父親である私が一番よく分かっています。その上で敢えて診断書を偽ることなく正攻法で、且つ、単願にしました。そこで先生にお願いがあります。小学校入学後もわが子のために家庭教師を引き受けていただけませんか。”と。
私にはその時間がありませんのでお断りしたところ、
“お手当は如何様にもお支払いします。お恥ずかしながら生まれてこの方、親にも笑顔を見せたことのないわが子が先生に心を開き、笑顔を初めて見せたのが先生です。どうかお引き受けください。”と懇願されました。
そこで、お引き受けする条件を2つ提示しました。
条件Ⅰ.指導期間は年末まで。
条件Ⅱ.無報酬とすること。
お父様からは、条件Ⅰはご承諾いただきましたが、条件Ⅱについては“無報酬での条件ではご家庭での貴重なお時間を割いていただくのに奥様に対しても申し訳なくお願いしづらい。”と申されました。
私が“では、お引き受けできません。”とお断りしたところ、
“せめて、交通費だけでも…。”とのお申し出があり、快諾いたしました。
できることならば、小学校入学後も関わり励ましていきたい思いはありましたが、個人的にご家庭内に介入することは厳に慎まなければならない立場にあり、家庭内のことはご両親の手で解決すべきことであるとの考えからです。